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チャットアプリ「微信」と三大通信キャリアとの戦い

5月1日


中国IT大手の「騰迅」(Tencent)社が開発したチャットアプリ「微信」は、2013年1月に3億人のユーザー数を突破した。これはスタートしてからわずか2年で達成した実績だった。一方、中国移動、中国電信と中国聯通の三大通信キャリアは、自社のチャットアプリのユーザー数が伸び悩んでいる。今年の3月、これら通信キャリア3社が中国工業情報化部(省)に「微信」の費用徴収を要請した。その理由は、「微信」のデータ通信量の拡大が、通信キャリアのネットワークの負担を増やし、ショートメッセージ、MMSや通話などの伝統的な事業に深く影響を与えていることである。中国工業情報化部は、大手通信キャリアの要請を検討し、仮に費用が徴収される場合でも高額ではないと表明した。費用徴収の対象は、消費者でなくTencent社であると強調されているが、結果的にその負担が消費者に転嫁されると懸念されている。圧倒的な人気を誇る「微信」を有料化にすべきかどうかについて大きな話題になっている。

『人民日報』は4月2日に、「「微信」の有料化は、安定した収益を確保することが前提」と題した記事が掲載した。「中国移動がTencent社のQQアプリ(インスタントメッセンジャー)において、利益分配の方式でTencent社から費用を徴収している。但し、その前提はQQアプリが既に収益を生み出していることである。「微信」の問題は、無料サービスでまだ収益が上がっていない。この問題を解決するには、ウィンウィン関係のモデルを構築すると同時に、イノベーションと競争も促進すべきである」と述べた。

『南方週末』は4月2日に、「三大通信キャリアがそれぞれの思惑で「微信」と暗闘」との見出しの記事を掲載した。「「微信」の有料化を積極的に唱えているのは中国移動である。「微信」が同社のユーザーを増やす効果が薄く、逆に通信ネットワークに大きな負荷をかけることになる。一方、中国電信と中国聯通は、「微信」によるユーザー増で潤っており、有料化に対する態度が曖昧である」と伝えられた。なお、同紙は4月12日に、この問題について、中国計算機学会による「微信」の有料化に対する声明を発表した。「三大通信キャリアは法律の手続きを踏んでおらず、有料化することに反対する。「微信」が有料化されれば、全ての付加価値電信サービスは強制的に費用が徴収される可能性がある。他の国では、キャリアが費用徴収をするのではなく、技術革新により通信インフラ建設を強化することで問題を解決する。」声明では、「「微信」の有料化は、二重の費用徴収にあたる」と強調した。「これは寡占企業と民営企業との間の利益の争いであり、通信ネットワークへの影響を口実に有料化するのはおかしい」と述べた。さらに、「政府による通信市場の寡占状況の監察管理、そして通信市場をいち早く開放するようと提案した」と述べた。

一方、人民網が4月2日に発表した世論調査によると、九割近くのネットユーザーが「微信」の有料化に反対していることがわかった。


(柯隆 編集)

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