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金購入ラッシュからみる中国人の投資行動

中国で先ごろ起きた金購入ラッシュの要因は、中国人が他国民以上に金を好むことに加え、資産価値を維持・増加できる投資先が限られていることにあった。

6月21日

4月15日、米国のニューヨーク証券取引所では金先物取引価格が急落した。当日の下げ幅は9.27%に達し、33年ぶりの下落率を記録した。その影響を受け、金が安全資産と見なされる中国では、各地に「金購入ラッシュ」が起こった。4月15日から10日間、中国人による金の購入量は300トンを超え、世界の年間金生産量の10%に上る水準になったと中国の各メディアが伝えた。各地の宝飾店に殺到し、金の買溜めをしている客は女性が多く、この凄まじい購買力は「中国のおばさんパワー」と呼ばれるようになった。ウォール街の金先物の空売りに対し、「中国のおばさん」達がそのすべてを買い上げる勢いだった。そのため、「ゴールドマンサックスが4月24日に空売りから撤退する」との発表に対し、中国のメディアから「『中国のおばさん』がウォール街に完勝した」との声も上がった。

今回の金購入ラッシュについて、『人民日報』は5月3日に、「貯蓄すべきかどうかは悩ましい問題」と題した記事でその背景に触れた。「高騰する物価と不動産価格に対し、如何に手持ちの財産価値を維持するかは、中国の庶民にとって悩しい問題になっている。『政府活動報告』によると、消費者物価指数(CPI)伸び率の目標が3.5%に設定されている。しかし、銀行の金利は高くても3.3%に止まっている。銀行に貯金するのは、お金の価値が下がることを意味する。一方、株式市場の低迷、不動産購入の制限、債券市場の管理強化の中、庶民とって投資の選択肢が少ない。こうした背景の中、近年、銀行の金融商品が急増し、購入する人も増えている。中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の発表データよると、2012年末までに、人民幣の貯蓄額が91.74兆元。233の銀行が合計32,152の金融商品を販売している。金融商品の資金残高は合計7.1兆元、そのうち、個人金融商品は全体の62%を占めている」と伝えた。一方、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)が3月29日に発表した銀行の金融商品の取り締まりに関する通知は、高利回り型の金融商品の販売が抑制され、投資ルートがさらに減っていくことを意味するだろう。『人民日報』は、5月16日に掲載した「金融商品、監督管理が厳しくなり、金利が下がった」の記事の中で、「4月の新規金融商品の総数が3月より8.79%減、金利が平均0.11%減になった」と報じた。さらにこの問題に対し、「多元的、多様、多品種な金融体系を構築し、短期、中期、長期の金融商品が設けられ、多様な投資選択肢が提供されるべきと春華資本集団董事長胡祖六が指摘した」と伝えた。

一方、「中国人の金に対する愛着が他国の国民よりはるかに強いことが、金購入ラッシュをもたらした背景の一つ」と、『南方週末』が4月26日に掲載した「氷火黄金」で言及した。「2012年における世界の金の需要量は4406トンに達し、前年比4%減になった。それに対して、中国大陸の金の消費量は832.8トンに達し、前年比9.35%増となった。そのうち、アクセサリ用は60.41%,ゴールドバーとコイン用は31.88%、いずれも世界全体の比率を大きく上回っている」とのデータが伝えられた。

(柯隆 編集)

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