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HOME >  中国展望 (特任教授 柯隆) >  2013年(海外ジャーナリズムの眼) >  習近平主席の「私利私欲」発言とその意味

習近平主席の「私利私欲」発言とその意味


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4月19日
ボアオ・アジアフォーラム2013年度の年次総会が4月7日に海南省博鰲(ボアオ)で開かれた。今回のテーマは「革新、責任、協力:共同発展を図るアジア」であった。習近平国家主席は開幕式に出席し、「アジア・世界の素晴らしい未来を共に創造する」との基調講演を行った。講演のなかでアジアと世界の平和、発展、協力、共栄の実現を求めると主張したが、「国際社会は総合安全・共同安全・協力安全の理念を提唱し、我々が共有する地球を、互いに競い合う場ではなく、共同発展をめざす大舞台にすべきだと主張した。私利私欲で地域や世界の安定を乱してはいけない」との発言に対し、多くの海外メディアは「“私利私欲”はどの国を指すか」を大いに推測した。

それについて、『新華網』は4月8日に「海外メディア、習近平国家主席の「私利私欲」発言は米国、韓国、北朝鮮、日本を指すと推測」と題した記事があった。記事に幾つかの海外メディアの推測が掲載された。「習近平国家主席は朝鮮半島の情勢について言及せず、また中国の日本や東南アジア諸国との領土問題にも触れなかった、「私利私欲」のために世界を混乱させることを容認すべきではないと強調した」(フランス通信社)、「習近平国家主席がユニラテラリズムを批判したが、それは北朝鮮を指すか、それとも米国を指すか。曖昧な表現はさて置き、習近平主席が講演で地域の緊迫した情勢の緩和に努力し、積極的且つ協力的な姿勢を示した」(AP通信)、「習近平国家主席の講演は北朝鮮、日本と南シナ海の周辺諸国に伝えるメッセージが含まれているだろう。また“私利私欲”は金正恩を指しているだろう。」(台湾聯合晩報)

海外メディアの推測に対し、『人民日報』は4月9日に、「『私利私欲』は、世界を混乱させたい者を指す」とのタイトル記事が掲載された。「ある国は、『私利私欲』が少しある、または避けられない事情がある。問題は、世界は多くの国にとっての世界であり、国としては、『己所不欲、勿施於人』(自分にとって望ましくないことは、人にも仕向けてはいけない)の理念のもとに互いに付き合うべきである。国は人間と同様で、“私利私欲”が膨張しすぎると、根拠のない主観的な考えを生みだし、世界を混乱させることになる」と述べられた。そのうえ、「新華網」は4月8日に、「習近平主席の「『私利私欲』はならない」は何に対し警告するものか」とのタイトルの論説を掲載した。「正義という大義名分を見せて、実は『私利私欲』である。アジア地域と世界の平和と安定を混乱させる国に対し適切な警告をするのは、アジアまたは世界人民の共同利益のためである」と述べた。


(柯隆 編集)