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HOME >  中国展望 (特任教授 柯隆) >  2013年(海外ジャーナリズムの眼) >  中国企業の半数は寿命が五年以内

中国企業の半数は寿命が五年以内


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中国企業の寿命(存続期間)が発表され、業種による寿命の違いやその理由等について、各メディアが論じた。政策等に関する重要な情報源となる官僚の任期(3~5年)終了が、廃業の要因の1つとなるとの指摘も見られた。

10月4日

国家工商総局が7月30日に発表した「中国内資企業生存時間分析報告」によると、5割近くの企業は寿命が5年以下という結果がわかった。この報告書は、2000年以後に設立した会社と倒産した会社に関して集計したものである。報告書では、企業設立から3年目は発展の「ボトルネック」に入り、7年目までは「衰退」する確率が高く、7年目以後は「倒産」の確率が徐々に下がっていくとの結果が示された。なお、ほとんどの企業が若く、設立から1年以下の企業が14.8%、2年、3年の企業がそれぞれ10%を超えている。(人民日報)

業種で見ると、小売業の企業は、短命の傾向が最も目立つ。廃業企業全体の36.2%を占めており、その次は製造業の17.1%である。3位はリース・商業・サービス業の9.7%となり、この3つの業種で全体の6割以上を占めている。一方、金融業のような参入壁が高い業種では寿命が長く、平均寿命が8.84年と、最も長生きである。これに対し、不動産仲介業は参入壁が低く、経済環境や国家の政策調整に左右されやすいため、寿命が比較的に短く、4.49年となった。(人民日報)

エネルギーや金融など寡占産業の企業は長生きであることに対し、民営資本が集中する産業では比較的短命の傾向が見られる。寡占産業の企業は政府の保護政策を享受できるほか、国家資本により大きくバックアップされているからである。民営資本が集中する業種では参入障壁が低い。そのハードルが低ければ低いほど、市場競争が激しく、利益率も低くなるという悪循環に陥る。また、これらの業種の市場では政府による保護がなく、市場開拓や融資の面における民営企業の力も弱いため、「倒産」の割合が高くなったのである。(新華網)

中国企業のライフサイクルは米国や日本などの海外企業と近いが、三大業種における高い倒産率に、中国の特徴が見え隠れしている。それは、中国の経済体制改革によって絶えず起こる市場環境の変化や、近年のオンライン取引がもたらす伝統業種への影響によるものだと考えられると復旦大学企業研究所所長の張輝明氏が語った。また、金融危機以来5年間、中国の民営企業の経営環境がどんどん悪化している。経済構造の調整、金融の引き締め政策、労働コストの上昇などは、民営の中小企業に与える影響が最も大きいと安邦コンサルティング高級研究員の賀軍氏が見解を述べた。(中国網)

企業のライフサイクルはなぜこんなに短いのか。原因は二つある。一つは、税負担が重い。税負担、生産コスト及び融資難は、中小企業にとっての三大負担である。今年8月1日から、月間売上が2万元以下の企業を対象に、付加価値税と営業税を免除するとの新しい政策が打ち出されたが、享受できるのは零細企業のみである。もう一つは、権力と市場の関係である。企業の廃業には、経営者と密接な関係を持つ官僚の離任によるものも多くあると考えられる。中国の官僚の任期は3年~5年であり、官僚の離任は、企業にとって市場に関する重要な情報を得るチャンネルがなくなることに繋がり、政策のサポートを得られなくなる場合もある。これは企業にとって致命的なことである。なお、賄賂事件などが多発している中、官僚との関係を維持するための莫大なコストも、企業にとって大きな負担となることが推測できる。(上海商報)

(柯隆 編集)