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光大証券の誤発注事件 インサイダー取引として5億元の罰金


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中国金融業界の一大事件に対し、各紙が、再発防止策の必要性や、迅速な処分を評価する見方等を示した。

10月4日

中国の大手証券会社の光大証券は、8月16日にシステム誤作動により短時間に大量の成行注文が上海証券取引所に届き、合計686億元の買い注文を誤って出してしまった。証券取引所のリスク制御システムが発動したにもかかわらず、234億元の誤注文が残り、そのうちの約3分の1の取引が成立した。それによって、上海総合指数が5.96%と急伸し、中国石油、中国石化、工商銀行など加重株価がストップ高となった。同時に、同証券会社の損失も1.9億元に上った。このニュースが金融業界に大きな波紋を呼んだ。18日に同社が発表した「公告」では、戦略投資部が使用する戦略取引システムの故障が主要な原因で、特定の状況での予想外の注文が作成されたと伝えられた。この事件に対し、中国証券監督管理委員会(CSRC)は直ちに調査に乗り出した。8月30日、CSRCは光大証券がインサイダー取引(注)に関わったとして、この取引から得た8721万元を不法所得として全額没収し、そのうえ、5倍の罰金を課し、合計5.23億元となった。さらに、同社の元幹部4人に対し、60万元の罰金を課すほか、金融証券業界から永久追放すると発表した。

8月16日の事件発生からわずか2週間で、CSRCがすばやく光大証券と4名の幹部に史上最も厳しい処罰を与えたことは、株式市場によい影響を与えた。A株市場では、これまでインサイダー取引が生じても、処罰がなく、市場の信用力に影響してきた。今回の極端な出来事に、CSRCが如何に対応するか注目されてきた。今回の事件が発生したのは、ちょうどCSRCが不正行為の取り締まり強化に乗り出す時期だった。CSRCが迅速に処分を下したことから、A株市場の今後の健全な発展に期待できよう。(新華網)

光大証券の事件で暴露した問題を、証券業界全体が重視すべきであろう。類似事件の再発防止のため、新型取引モデルや取引ソフト及び情報技術システムを厳しく管理し、リスクの予測とコントロールを確保する必要がある。CSRCは監督管理制度の見直しを行い、有効な措置を取り入れ、不可抗力によるリスクを防止する。証券や先物の監督管理システムについては海外市場の経験を吸収した上、我が国の市場発展段階に合った制度規則を研究し、資本市場の公開性、公平性と公正性を確保すると同時に、一般投資家、特に中小投資家を保護する必要がある。(人民日報)  

今回の処分はインサイダー取引に対するものであり、処分の対象は、御発注による損失を相殺するために違法行為によって得た8721万元の不法利益となっている。もしこの他にも不正行為があった場合には、さらに追及する必要があり、現在の処分は厳重とも言えない。CSRCも不正はインサイダー取引のみだと確定していない。様々な問題がまだ残る中、投資家が訴訟を起せる範囲も限られることになるだろう。(京華時報)

(柯隆 編集)

(注)御発注を公表する前に、損失をカバーするため株価先物等を売り建てた行為がインサイダー取引に当たるとされた。