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HOME >  中国展望 (特任教授 柯隆) >  2013年(海外ジャーナリズムの眼) >  中国における海外不動産購入ブーム

中国における海外不動産購入ブーム


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中国人の、海外不動産ニーズが旺盛である。その背景について各紙が論じた。

11月12日

今年の国慶節は7日間の大型連休となり、この長い休暇期間を利用して海外で不動産を購入する中国人が増えているといわれている。特に米国のシリコンバレーまで不動産物件の見学に中国から遥々足を運ぶ人が多く、気に入った物件をほとんど現金で購入するという信じられない現象がみられた。今年9月からの一ヶ月間、米国のサンタクララ市で販売された360軒の住宅のうち、三分の一は現金で購入されたといわれている。それは中国大陸からの購入者によるものと推測されるとACEQ不動産投資集団の総裁が伝えた(中国新聞網)。

全米リアルター協会のデータによると、2013年3月末までの1年間、米国の不動産における海外購入者の購入額は682億ドルだった。そのうち、中国人が購入した金額は全体の18%に達した。この比率は2011年の11%、2010年の9%、2009年の5%を大きく上回った。また、カリフォニアは、フロリダに次ぐ人気州となり、この州の半数以上の海外購入者が中国人である。ただし、中国人が引き起こした不動産購入ブームは、現地に不動産インフレをもたらした。そのため、現地の多くのファーストホームバイヤーが中国人による購入を拒否するケースが増えているといわれている。カリフォルニア州リアルター協会によると、ベイ・エリアにおけるファーストホームバイヤーの不動産購入率は45%となり、2012年の66%より大きく下がった(南方週末)。

100万元(約1600万円)人民幣では、北京市中心部の東三環エリアで25.5平米の住宅しか買えないが、カリフォニアのサクラメント市では100平米の住宅を買える。「中国以外ならどこでも安い」と広州の投資家張平氏が言った。彼女がサンフランシスコ郊外で購入した別荘は10年間投資で年間投資収益率は9%もあるが、広州の場合はわずか3%となる。海外で不動産を購入するのは、中国の富裕層にとって目新しいことではない。彼らにとっては、どの国でどのような物件を購入するかということ以外に、投資リターンと税金回避も、考慮される重要な材料となる(南方週末)。

中国国内の不動産博覧会においても、海外不動産案件が目立っている。今年9月19日に開催された「北京秋不動産物件見本市」では、海外不動産物件数が260に上り、全体の半数以上を占めており、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど出展国は30以上に上った。不動産購入者に対する優遇政策を歌い文句とする国もあった。例えば、キプロスは“30万ユーロで不動産を購入すれば国籍がもらえる”、ギリシアは“25万ユーロの不動産でギリシアの永住資格を取得できる”(人民網)。

海外不動産購入ブームの背景の一つとして挙げられるのは、中国国内の住宅購入制限策である。特に不動産価格が急速に上がる一級都市では、不動産購入ニーズがあるが、購入が制限されている。また、人民元の切り上げに対し資産価値を保持する方法として、富裕層が海外で不動産を購入することも原因の一つとなっている。なお、投資目的以外に、海外の教育、医療サービス、環境及び食品安全などの面も考慮されている。(人民網)。

(柯隆 編集)