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2月分


ニュース:米国へのサイバー攻撃への中国軍の関与が明らかに

米ニューヨークタイムス紙の報道によると、米国企業や省庁への攻撃の多くが上海市郊外にある中国人民解放軍61398部隊の本部付近から発せられていることが、米コンピュータセキュリティ会社Mandiant社の詳細な報告書によって明らかとなった。攻撃により多岐の産業にわたる民間企業が大量のデータを盗まれているが、攻撃の中心は米国の重要インフラに移行しつつあると同紙は伝えている。(2月18日)
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ニュース:無人機の米国内での利用が増加

米連邦航空局(FAA)の15日付の発表によると、2007年以降、米国内における無人偵察機の運用に対して1,428の飛行許可が出されており、うち327件が現在でも有効であるという。許可は警察、大学、州の運輸局、連邦省庁に対して出されたもので、FAAはその数は5年後には1万件に達するであろうと予測している。これに伴い米国内では無人機偵察によるプライバシーへの影響に対する懸念が高まっている。(2月15日)

ニュース:サイバーセキュリティに関する大統領が発動

オバマ米大統領は12日の一般教書演説中で、重要インフラのサイバーセキュリティ向上を目指す大統領令を発動することを発表した。大統領令は、米商務省下の米国標準技術局(NIST)が重要インフラを運営する民間企業と協力して、サイバーセキュリティのベストプラクティスのための枠組みを開発することを指示するものである。草稿は240日以内、最終的には1年以内に枠組みが発表される予定である。(2月12日)

ニュース:EUの新サイバーセキュリティ戦略が発表に

欧州委員会は、「開かれた、安心かつ安全なサイバー空間」と名づけられたサイバーセキュリティ戦略を公表、情報システムのサイバー耐性の向上、サイバー犯罪の減少およびEUのサイバーセキュリティ政策とサイバー防御の強化を目標とした行動指針を示した。同戦略はEU全体を通じたサイバーセキュリティのルールおよび慣行作りと、攻撃に対して協調した対応をとることを目指しており、概ね好意的に受け止められているが、民間企業がすべてのデータ侵害やサイバーセキュリティ・インシデントを報告することを定めた条項など、今後民間セクターからの反発にあいそうな項目も見受けられる。(2月7日)

ニュース:FCC、ハリケーン・サンディの際の問題点を検証

米連邦通信委員会(FCC)は5日、電話会社、ニューヨーク市の通信問題担当者と会合を開き、ハリケーン・サンディの際にブロードバンドや携帯電話サービスに起こった問題を話し合い、今後の災害時にサービス停止の拡大をいかに防ぐことができるかを検討した。災害時に市担当者が携帯電話会社と連絡をとれなかったこと、携帯電話の基地局のバックアップ用電池が現在、8時間しかもたないことなどが指摘された。(2月5日)

ニュース:世界の大都市のインフラ構造を見せる米テレビシリーズ

2月5日から放送が始まった米サイエンスチャンネルの新番組「Strip the City(都市を裸にする)」では、巨大な断層沿いにあるサンフランシスコ、砂地に高層ビルを建設するドバイなど、ことに困難な環境下で形成されている大都市のインフラを支える建築技術の秘密を、CG画像を駆使して見せる。(2月5日)

ニュース:英国企業が原発新設から撤退

英国で原発新設を予定していたBritish Gas社の親会社であるCentrica社が出資の取り止めを決定。福島の事故を受けた新しい安全対策などの結果、コストが跳ね上がり見合わなくなったことが原因。これで原発新設に出資する英国企業はなくなり、政府は外国企業による引継ぎに期待を示している。(2月4日)

ニュース:エストニアがサイバーセキュリティ面で躍進

コンピュータセキュリティ会社であるマカフィーが世界各国のサイバーセキュリティを5点満点で評価した結果を公表した。フィンランド、スウェーデン、イスラエルが4.5点、続いてエストニア、デンマーク、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、イギリス、米国が4点で並んだ。中でも2007年に大規模なサイバー攻撃を受けたIT先進国のエストニアが、強力な認証サービス、ファイヤーウォール、バックアップシステムなどを構築して能力を向上させたことが注目を集めている。(1月31日)

ニュース:FEMAが災害対策を教えるコンピュータ・ゲームを開発

子どものいる家庭に緊急事態にいかに備えるかを教えるウェブベースのゲーム、「ディザスター・ヒーロー」が、FEMAの資金援助を受けてAmerican College of Emergency Physicians (ACEP)によって開発された。ゲームの対戦相手と災害に関する知識や対策を競い、勝者が次の「災害の英雄」の座を射止めるという形式になっている。(1月28日)

ニュース:カリフォルニア州、地震の早期警戒システム導入を検討

28日、カリフォルニア州の主だった地球物理学者や地震学者が集まり、日本で使用されているものと似た、地中のセンサーを利用して警戒を呼びかけるシステムを800万ドルかけて構築することを発表した。実現すれば米国で初のシステムとなるが、同州の財政問題から前途は多難となりそうだ。(1月28日)

ニュース:DARPA主導のIT技術リサーチプログラムが始動

DARPAと半導体および防衛産業の主要企業が協同して、半導体技術先進リサーチネットワーク(Semiconductor Technology Advanced Research Network, STARnet)という、情報・コンピュータ技術部門における技術革新の促進を目指すリサーチプログラムが始められた。同プログラムは異なるリサーチ領域に重きをおく6つのセンターから成り、都市が自然災害やテロ攻撃により効果的に対応する方法、小型のトランジスターに対応するための低電力を可能とする半導体技術などが研究される。今後5年間で全米39の大学の先進半導体研究にDARPAと産業界が1億9400万ドルを拠出する。(1月22日)

新技術情報:生体認証を行うスマートフォンの開発を米国防総省が委託

米国防総省は、瞳の虹彩、顔、指紋、声紋といったバイオメトリックスを記録できるスマートフォン用ソフトウェアの開発をカリフォルニア州のAOptix社に2年間300万ドルで委託する契約を結んだ。(2月13日)

新技術情報:オープンソースの手のひらサイズのヘリ、予約受付開始

すべてにオープンソースの素材を使用した、9センチ四方で4つのプロペラで動く超小型ヘリ、Crazyflie Nanoが予約受付を開始した。スウェーデンのBitcraze社が製作し、ベースキットの価格は149ドル、2.4GHzの無線を使ってパソコンで操縦ができ、様々な改造が可能である。

新技術情報:世界最小のドローン、アフガニスタンの実戦に配備

アフガニスタンで展開する英国軍の偵察部隊に、長さ約10cmの軍事用偵察ヘリが導入された。ノルウェーのProx Dynamics社が製作したBlack Hornet Nanoで、重量は16g、可動式カメラを搭載している。160機が導入される予定。

出版情報:マンディアント社情報センター報告書『APT1: 中国のサイバー諜報部隊を暴く』

米コンピュータセキュリティ会社、マンディアント社による報告書。APT1は政府の支援を受けている可能性が高い、執拗な攻撃を繰り返す中国のハッカー集団である。APT1は英語を使用する国々で少なくとも141の組織から数百テラバイトに上るデータを盗み出しており、世界中に広範なコンピュータシステムのインフラを擁している。APT1のインフラの規模から推察するに少なくとも数十、おそらく何百ものハッカーが内部で働いている。APT1の攻撃に対する防御を高めるため、付属文書に3,000以上のインディケータが公開されている。(マンディアント社、2月19日発行、74ページ)
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出版情報:戦略・国際問題研究所(CSIS)報告書『サイバーセキュリティの基準を上げる』

企業や政府機関のコンピュータから盗まれた情報が売買される中、サイバーセキュリティのリスク管理は組織の危機管理とコンプライアンス上の責任の一部となっている。こうした責任に応えるため、従来使われてきた反応的なネットワークセキュリティ方法に代わる、継続的なネットワークのモニタリングと比較的簡単な緩和対策を組み合わせた新たなアプローチを紹介する。(ジェームス・ルイス著、2月14日発行、12ページ)
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出版情報:政府説明責任局(GAO)報告書『サイバーセキュリティ:国家戦略、役割、責務はより明確に定義される必要があり、より効果的に適用されるべきである』

重要インフラや連邦省庁に対するサイバーセキュリティのインシデントは増加し続けており、攻撃方法はより高度に、そして確実に効率性が増している。サイバーセキュリティに取り組むに当たって米連邦省庁が直面している問題点と、国家サイバーセキュリティ戦略が戦略としてふさわしいかどうか、どこを修正するべきかを、今までの報告書の分析や連邦政府内の専門家へのヒアリングを通じて分析している。(政府説明責任局、2月14日発行、112ページ)
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出版情報:マイクロソフト・トラストワーシー・コンピューティング報告書『サイバーセキュリティ政策と効果の関連性』

世界のサイバーセキュリティ政策の影響を検証、国の非技術的な社会経済要因がサイバーセキュリティの実効性にいかなる影響をもたらすかを検証する方法論を紹介し、政策決定者がより信頼できるサイバーセキュリティを考慮する上でのツールとなることを目指す。(マイクロソフト社、2月6日、27ページ)
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出版情報:英国科学局フォーサイト(Foresight, Government Office for Science)報告書『将来の災害のリスクを軽減する:意思決定者にとっての優先事項』

科学的事項について英国政府に助言を行うフォーサイト・プログラム内のプロジェクトの報告書。災害援助の資金が災害後の救援に割り当てられることが多い中、将来の危険に備えるため、科学的手法を駆使した災害リスク軽減を考える。
(英国科学局フォーサイト、2012年末発行、139ページ)
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