8月分
ニュース:FEMAが省庁間オペレーション3分野の文書を更新
米連邦緊急事態管理庁(FEMA)は連邦政府省庁間オペレーショナル計画(FIOP)の5分野のうち減災・対応・復旧の3分野について文書を更新したと発表した。更新内容を説明するため、分野ごとに60分間のウェビナーを開催する。登録は先着順で、下記ウェブサイトで受け付けている。(2016年8月18日)
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ニュース:米保健福祉省、プエルトリコにおける公衆衛生緊急事態を宣言
米保健福祉長官は、米自治領プエルトリコにおけるジカ熱による公衆衛生緊急事態を宣言した。ジカ熱の感染拡大が妊婦に及ぼす影響を受けて、公衆衛生に対する深刻な脅威であると判断した。(2016年8月12日)
ニュース:仏テロ発生時に一般向け警報システム作動せず
7月14日、フランス南部ニースで発生したテロの際に、フランス政府が開発・導入して一般に頒布している警報システムSAIPが作動せず、事件発生の3時間以上あとで同システムから警報が発せられたことが判明した。スマートフォンのアプリケーションやSNSを利用した警報システムは広く活用され始めているが、課題も多いことが浮き彫りとなった。(2016年8月12日)
ニュース:米国土安全保障省、緊急救助向け新情報共有ツールを発表
国土安全保障省科学技術局は、世界の防災・危機管理当局と初動要員のための、新しい情報共有ツールを発表した。この「次世代インシデント・コマンド・システム」(NICS)というウェブベースのコミュニケーション・プラットフォームは、緊急救助隊員が遠隔地の専門家とリアルタイムで情報を共有することを可能とする。専門家の側もインシデントが進展していく様を観察する機会が得られる。ベータ試用期間を経た後、広範にアクセス可能なようにオープンソース・コミュニティへと移行する予定だ。関心のある組織は、今からでもプラットフォームを利用することができる。(2016年8月10日)
ニュース:米国土安全保障省、装着型電子機器新技術を公募
米国土安全保障省科学技術局は、初動要員への応用を視野に、身体装着型電子機器の技術革新キャンペーンEMERGE 2016: Wearable Technologyを開始した。装着型機器は、無線で複数の機器と情報収集・共有し、包括的なデータを作成する。初動要員は今でも大型の旧式な機器を使用している場合が多く、コンパクトな情報機器を装着することでより効果的な救援活動が可能となることが期待される。2016年9月2日まで新たな機器の提案を受け付ける。装着型電子機器、先進センサー、統合音声データ通信が埋め込まれた装置といった、災害救援援に活用可能な次世代技術を開発する企業、とくに新興企業の参加を促している。(2016年8月8日)
ニュース:米国防総省DARPAサイバーチャレンジ開催
米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)は、サイバー攻撃に全自動・自律的に対応するシステムの大会を開催し、最終戦がハッカー大会DEFCON会期中にラスベガスで開催された。全自動ハッキングのトーナメントは世界初で、学界、セキュリティ業界、ハッキングトーナメントの常連など7グループが対戦した。現在のサイバーセキュリティは、専門家たちが新たな欠陥や脅威を特定し、それに対するパッチを発行することで成り立っており、問題の発見から解決策の導入までに1年以上かかることもある。DARPAはこのサイバー防衛プロセスを自動化し、自律的システムが人間の手を借りることなくリアルタイムで問題点を修正することを目指している。(2016年8月7日)
ニュース:米国立衛生研、ジカ熱ワクチンの臨床実験を開始
米国立衛生研究所(NIH)は8月3日、ジカ熱ワクチンのヒトへの接種の臨床実験を開始したと発表した。管轄下のアレルギー・感染症国立研究所(NIAID)が開発したワクチンを、18-35歳の健康な被験者80人以上に接種し、安全性と効果を検証する。(2016年8月4日)
ニュース:米国土安全保障省が緊急時電波妨害演習
国土安全保障省科学技術局は7月16日、ニューメキシコ州ホワイトサンズ・ミサイル実験場で初動要員電波妨害演習を実施した。連邦・州・自治体の40以上の組織が参加し、災害など緊急時にGPS等の電波が妨害された場合の対処法を演習し、妨害を受けやすいシステムの種類、災害対応に対する影響の大きさ、システム防衛の効果などを検証した。(2016年7月28日)
ニュース:サイバーインシデントに対する米大統領政策指令
米民主党全国委員会のメールの漏洩などを受けて、ホワイトハウスは大規模なサイバーインシデントに対して国土安全保障省(DHS)・連邦捜査局(FBI)・国家情報長官室(ODNI)など政府機関が取るべき対応に関するガイドラインを発表した。この「米国サイバーインシデント調整に関する大統領政策指令」(PPD-41)は、重大なサイバーインシデントへの対応の基本方針と、中央の政策調整、中央のオペレーションの調整、現場の省庁間調整を定義している。サイバー攻撃の深刻度を等級分けし、0から5の6段階で攻撃のレベルを表示する共通の枠組も同時に公表した。(2016年7月27日)
ニュース:ドイツで移民や難民による殺傷事件相次ぐ
7月22日、ドイツ南部バイエルン州ミュンヘンのショッピングモールで18歳の男性が銃を乱射、9人が死亡した。容疑者はドイツとイランの二重国籍を持っており、2009年にドイツ・ヴィネンデンの学校で起きた銃乱射事件(17歳の犯人を含む16人死亡)に大きな影響を受けていたことが、その後の捜査で判明している。24日には同州アンスバッハで、難民申請者のシリア人男性(27歳)が、屋外コンサート会場入口付近で自爆して死亡、12人が負傷した。州政府は犯人がIS(自称「イスラム国」)に忠誠を誓うビデオをスマートフォンに遺していたと発表した。同じく24日にはドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州ロイトリンゲンで、難民申請者のシリア人男性(21歳)が同僚の妊婦をなたで斬殺した。7月18日にはバイエルン州の旅客列車と車外で、ISに影響されたアフガン難民の少年(17歳)が乗客ら5人をナイフと斧で傷害した。移民・難民による殺傷事件の続発が、移民・難民問題に関するドイツの世論に影響すると考えられる。(2016年7月25日)
新技術情報:しなるコンクリート
シンガポールの南洋理工大学は、従来の砕けやすいコンクリートと異なり、しなることでひび割れを防ぐコンクリートを開発した。ConFlexPaveという新素材と、ヒトの毛髪より細いポリマー・マイクロファイバーが原料。ことで、このコンクリートをブロック状にした場合、かかった重みが一箇所でなく全体に均等に分散される。そのため、歪みに対して従来のコンクリートの最低2倍の強度を持つという。同大学ではキャンパス内にこのコンクリートでできたブロックを敷設して、歩行者や車の交通に対してどれほどの強度をもつか、今後3年間テストを行う計画である。(2016年8月17日)
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出版情報他:米国科学アカデミー「一般航空、非ハブ空港、小規模空港のための机上およびフルスケール緊急時演習」
小規模空港における緊急時対応演習に必要な演習ツールや計画のサンプル、机上およびフルスケールの緊急時演習のための効果的な慣行のチェックリスト、効果的な演習プログラム策定のためのロードマップなどを含む報告書。(ジェームス・スミス、キンバリー・ケンヴィル、ジョン・ソーヤー、リカルド・ガルシア著、149ページ)
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出版情報他:米国科学アカデミー「空港のための緊急時広報計画」
空港の上級管理者、広報官、初動要員、危機管理者のために作られた緊急時広報計画。計画のサンプル、役目ごとの現場作業ガイド、効果的な計画を立てるためのチェックリストなどが含まれている。(ジェームス・スミス、キンバリー・ケンヴィル、ジョン・ソーヤー、リカルド・ガルシア著、87ページ)
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出版情報他:Aristatek社「プロパン・ブリーフ」
危険物取扱の計画や対応を行うAristatek社が、プロパンや天然ガスなど沸騰液膨張蒸気爆発(BLEVE)を起こす可能性のある物質の危険性を解説したテクニカルペーパー。1998年にアイオワ州で発生したプロパンガスタンクの爆発では、消火活動にあたっていた消防士2人が命を落とした。タンクの破片は14エーカー(5.7ヘクタール)にわたって飛び散った。消防士がタンクに近づきすぎていたことを指摘し、各種ガスのタンク類について、事故の際の安全な離隔距離の図などを提供している。ペーパーは危険物処理(Hazmat)チームや公共安全に携わる専門家に無償で提供されており、下記サイトからダウンロード可能。(2016年8月2日)
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出版情報他:米下院国土安全保障委員会「国土安全保障省の諸経費を合理化することは、国内をより安全にする」
政府および関連業界の主要組織からのフィードバックや、政府監査院(GAO)や国土安全保障省監察官室の20以上の報告書に基づいて、同省運営の効率化のための推奨案を概観する、多数党(共和党)スタッフ報告書。同省は、それぞれ全米に出先機関をもつ組織を複数の省庁から編入したが、米国各地にもつ不動産を整理していないので、土地・建物の維持費がかさんでいるという。マイケル・マッコール国土安全保障委員長(テキサス州・共和党)は、同省が2001年の9・11同時多発テロを受けて創設されて以来、浪費の文化に悩まされており、国境警備、国内における法執行強化、サイバーセキュリティ、航空セキュリティ、初動要員の支援といった重要な使命に使われるべき予算が、不要な経費として浪費されていると非難している。(2016年8月公表、13ページ)
掲載元へのリンク(PDF:913KB)
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出版情報他:FEMA「州政府減災計画見直しのためのガイド」
2016年3月6日に施行されている、州政府向けの自然災害減災計画要項に関するFEMAの公式政策。州政府が規制や政策要項に沿った対策をとれるようにすることが目的。一連の公報(ブレティン)は減災計画プロセスの全ての面を網羅するよう作成されている。
- 「州政府のための減災計画主要トピック公報:計画プロセス」(PDF:3.81MB)(2016年7月18日公表)
- 「州政府のための減災計画主要トピック公報:リスク評価」(PDF:1.66MB)(2016年6月3日公表)
出版情報他:GAO報告書「重要インフラ保護: 化学施設関係者から内部告発を受け付ける国土安全保障省の手順には改善が必要」
米国土安全保障省は、緊急時通信の調整を改善し、今後の目標をより明確に定める必要がある。2006年緊急時管理改革法の一環として設立された緊急時通信準備センター(ECPC)には14機関が関わっており、連邦緊急時通信プログラムにおける情報共有や調整の向上を設立目的としている。しかしながら、ECPCは省庁間グループで加盟機関の目標設定と進捗状況の把握をしていないので、各機関はECPCの目的を理解することなく、自らの目標とECPCの目標を照らし合わせる機会もないおそれがある。(2016年7月14日発行、54ページ)
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