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9月分


ニュース:大西洋のハリケーン、過去最多水準

全米ハリケーンセンターは9月18日、大西洋で発生した3つの熱帯低気圧を命名した。毎シーズン初めに同センターが準備する21のハリケーン命名リストの名前を使い切ったので、今シーズンにまたハリケーンが発生した場合はギリシャ文字の名前を付けることになると発表した。ハリケーンセンターが事前に準備した名称を使い切るのは1953年以来、史上2回目のことになる。(2020年9月19日)

ニュース:ワクチン開発の米製薬2社、今後の計画を公表

米国の大手製薬会社のModerna社とファイザー社は9月17日、新型コロナウイルス・ワクチン開発の今後の計画を発表し、安全性と効果を示すための臨床試験を終えるには少なくとも今年末までかかるとした。前日の上院小委員会で、CDCのレッドフィールド所長は、一般向けのワクチン接種を始められるのは来年夏ごろという見込みを示した。トランプ大統領がCDC所長の見解を否定し、ワクチン接種は10月にも始まるだろうと会見で述べたため、11月の大統領選挙に先駆けてワクチン開発が科学者の意思に反して政治的理由により急かされるのではないかという懸念が広がっていた。(2020年9月18日)

ニュース:事故原因はボーイングの隠ぺい体質―米下院最終報告

米下院運輸インフラ委員会は、2018年と19年に2件の墜落事故を起こしたボーイング737 Maxに関する最終報告書を発表した。238ページに上る報告書は、ボーイングとFAA(連邦航空局)の双方を批判し、大事故を引き起こして346人の命を奪う原因となった5つの問題分野を指摘した。欧州のエアバス社との競争によるプレッシャーから安全性よりも利益を重視したこと、機体のシステムの欠陥を認識しながら報告を怠るなど隠ぺい体質が車内にあったこと、FAAの監督が利益相反に陥っていたことなどを指摘した。(2020年9月16日)

ニュース:日毎の新型コロナ感染件数、世界最高記録を更新

WHOは、9月13日の24時間だけで、世界で30万8000件以上の新型コロナウイルス感染例が報告され、日毎の感染数としては9月6日を超えて最多となったと発表した。死者数にはそれほどの変化がみられないものの、10月、11月には急増が予測されると警戒を呼びかけている。ジョンズホプキンス大学のサイトによると、累計では世界で2890万人が感染、1950万人が回復、92万2000人が死亡している。(2020年9月14日)

ニュース:米西部4都市、林野火災による空気汚染が深刻化

9月13日、沈静化の気配をみせないカリフォルニア州北部の林野火災の影響で、米西海岸の4都市が世界でもっとも汚染された地域のワースト10にリストアップされた。世界最悪とされたのは、30以上の林野火災の煙が吹き込んでいるオレゴン州ポートランドで、シアトルが3位、サンフランシスコ6位、ロサンゼルス8位となっている。大規模な林野火災はカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州に広がっており、今までに33人が死亡、100か所以上の火災により1万6000平方キロ以上が焼失、週末だけで3000人以上の消防士が出動して消火活動にあたる事態となっている。(2020年9月14日)

ニュース:アストラゼネカ社、治験を中断

アストラゼネカ社は9月8日、COVID-19ワクチンについて予定していた大規模臨床試験には、深刻な健康被害のおそれがあるとして、その原因がワクチンなのか調査するため中止したと発表した。同社がオックスフォード大学と共同開発中のワクチンはすでに臨床試験の第3段階にあり、開発の最終段階に入っていた。ワクチン開発の最前線にあるとみられていたが英国での治験者に深刻な健康被害がみられ、原因がワクチン由来でないと解明されるまですべての試験を中止するという。患者の一人に横断性脊髄炎の症状がみられたという。12日、英国内での治験は英政府の承認を得て再開し、同時にブラジルでも再開されたが、米国での治験は米食品医薬局(FDA)の調査が終了するまで中断しており、南アフリカとインドでの治験の再開時期も未定である。(2020年9月12日)

ニュース:米国土安全保障省に情報分析報告の改ざん指示との内部告発

9月8日、国土安全保障省情報分析局の前局長であるブライアン・マーフィー氏は、同省幹部数名が、同局の情報分析報告書を政治的理由から改ざんするように圧力をかけてきたと告発した。ウルフ長官代行が、2020年米大統領選へのロシアの介入の深刻さを軽く扱い、代わりに中国やイランの介入活動について書くよう指示してきたという。ウルフ長官代行は、国家安全保障担当大統領補佐官のロバート・オブライエン氏から指示があったと伝えたという。他にも同省のニールセン元長官は議会での証言で、米南西部の国境から侵入するテロリストの数を大きく水増ししていたこと、同省のナンバー2であるケン・クッチネリ氏が白人至上主義者によるテロの脅威をそれほど深刻ではないとするように報告内容を書き替え、代わりに極左集団の脅威が大きいと書くよう変更することを指示するなど、報告書をトランプ大統領による公の場での発言に合わせるように圧力をかけられ、それを拒否したことで降格させられたと述べている。マーフィー氏は8月1日付で職を解かれている。(2020年9月10日)

ニュース:ギリシャで新種のコクシエラ菌が流行

ギリシャの研究者チームは、ギリシャ全土でコクシエラ菌が流行している証拠を発見し、Q熱心内膜炎患者の動脈弁から新種のコクシエラ菌を発見したとする研究報告書を発表した。Q熱は動物を介して感染する感染症で、米疾病管理予防センター(CDC)は生物テロに用いられるおそれがあるとして感染発生の場合は報告を義務付けている。ギリシャでは公衆衛生上の深刻な問題だと捉えられてこなかったので、これまで報告例がほとんどなかった。(2020年9月7日)

ニュース:ロンドンの主要な橋を安全のため封鎖

ロンドン都心のテムズ川に掛かるハマースミス橋(1887年開通、吊り橋)、ヴォクソール橋(1906年開通)、ロンドン橋(1971年開通)が、安全性の懸念から封鎖された。ロンドンのシンボルといえるタワーブリッジ(1894年開通)も8月の2日間、跳ね橋の蝶番部分に問題が生じたため一時閉鎖されるなど、都心のインフラの老朽化が深刻な問題となっている。ハマースミス橋で歩行者の通行を可能にし、橋の下を船が安全に航行できるように一部を修復するだけでも4600万ポンド(62億円)ほどかかると見積もられ、さらにはその費用を負担するのが基礎自治体になるのかロンドン交通局になるのかも決まっていないため、封鎖が解除される目途は立っていない。通勤・通学に今までの何倍もの時間がかかるなど市民の日常生活に大きな支障をきたしている。(2020年9月7日)

ニュース:COVID-19ワクチンの平等分配体制に米国不参加

WHOが中心となって、参加国が有効なワクチンの開発、製造、公平な分配のための費用を出しあう協力体制「COVAXファシリティ」には、世界170か国以上が参加に関心を示しているが、米国は不参加を表明した。COVAXファシリティは、ワクチンの独り占めを防ぎ、各国の高リスク者を優先して接種することで、より低価格で効果的な結果を生むことをめざしている。しかし、米国が参加しないことで、目的の達成がより難しくなるとみられる。逆に米国は、ワクチン開発に遅れをとった場合、ワクチンへのアクセスを絶たれることとなる。(2020年9月1日)

ニュース:COVID-19の再感染例を確認

香港と米ネバダ州で1件ずつ、以前に新型コロナウイルス感染が確認された人の再感染が報告された。香港の33歳の男性のケースでは、2回目の感染では症状がなく、欧州から帰国した際の空港での検査で感染がわかった。ネバダ州の25歳男性のケースでは、4月に初めて感染が確認された際の症状は軽かったものの、6月に再感染が確認されたときの症状のほうが重く、入院を要したという。当初は体内に残ったウイルスが再出現したと考えられたが、検査の結果、4月感染時のウイルスとは型が異なり、一人の体内でウイルスがそこまで急速に進化するとは考えにくいので、異なる型の新型コロナウイルスに感染したものと結論付けられた。香港のケースでは1度目の感染で形成された免疫が効果を発揮しているが、ネバダ州のケースではそれがみられないという。現時点では一度新型コロナウイルスに感染した人の再感染は、世界でこの2例しか報告されていない。(2020年8月28日)

ニュース:WHO、アフリカからのポリオ根絶を宣言

世界保健機関(WHO)は過去4年間に一例も感染例がなかったとして、アフリカからのポリオ根絶を宣言した。これにより、ポリオがまだ残るのは、パキスタンとアフガニスタンの2か国のみとなった。(2020年8月25日)

ニュース:米FDA、新型コロナのプラズマ療法に緊急使用許可

米食品医薬品局(FDA)は8月23日、新型コロナウイルス感染症の重症患者に対して、同ウイルスに感染し回復した患者のプラズマ(血漿)を投与する、プラズマ療法の緊急使用を許可した。入院中の新型コロナウイルス患者への使用が当面許可されるが、治療の効果を確実に証明するにはさらなる臨床実験が必要だとしている。(2020年8月24日)

技術研究情報:林野火災の大半は人的要因が原因―コロラド大学

林野火災の実に97パーセントは自然発火ではなく、ごみ焼却、機器の使用、放火といった人的要因が原因だとする分析結果を、コロラド大学ボルダー校の研究チームが公表した。また、過去24年間に、林野火災の大きな被害にあう可能性がある地域に100万軒以上の家が建てられたという。これは従来の推計の5倍に上る数で、被害可能性がある1キロ圏内にまでエリアを広げると5900万軒の家屋が入るという。人的要因による林野火災は、比較的小規模だが、被災家屋の92パーセントは人的要因による火災によるものだという。(2020年9月11日)
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技術研究情報:新型コロナに対するモノクローナル抗体開発―コロラド州立大学

コロラド州立大学の研究者チームは、SARS-CoV-2のヌクレオカプシド・タンパク質に対するモノクローナル抗体を新たに開発した。この抗体は将来的に、ヌクレオカプシド・タンパク質の構造、細胞内の相互作用、診断方法の開発、治療法の開発といった研究に利用することが可能で、COVID-19克服に向けた大きな意味を持つと考えられる。論文は現在、査読中である。(2020年9月7日)
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技術研究情報:SNS上の映像を活用して災害被害を検証―カーネギーメロン大学

カーネギーメロン大学の研究者は、災害直後にSNSにアップされた映像や、ドローン(小型無人航空機)から撮影した映像をもとに、被災した建物と被害の程度を、AIを用いて自動的に特定するシステムを開発している。現行の災害被害評価は、建物の被害を人が目視で確認、記録することで行われているが、これは時間もコストも手間もかかる。また、衛星画像では詳細がわからず、被害状況も上空の一定方向からしか確認できない。ドローンなら、接近してさまざまな角度から撮影することが可能だ。(2020年8月28日)
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技術研究情報:ジカ熱抗体がデング熱を悪化させるおそれ

ジカ熱にかかった人はその後デング熱にかかりやすくなり、重症化もしやすいとする研究結果が、サイエンス誌に掲載された。ジカ熱に対する抗体を作ると同時に、デング熱に対して体が脆弱になることのない、安全なワクチンの開発が今後求められる。(2020年8月27日)
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技術研究情報:高速の空中生物剤検知器を開発―MIT

MITリンカーン研究所の研究者は、国防脅威削減局(DTRA)から資金を得て、高速エアロゾル検知器を開発した。24時間稼働させることが可能で、複数のプロセスを経て生物剤の有無を検知し、米軍の早期警戒システムに活用できる高度な感度と信頼性を備えているという。すでに1万6000時間の現地実験を行い、従来の高感度の検知器では達成しえなかった非常に低い誤作動率を確認したという。(2020年8月26日)

報告書など:米国科学・工学・医学アカデミー出版「中東における米軍事行動における空気中の危険物質への暴露による呼吸器系への影響」

1990年以降、90年から91年にかけての湾岸戦争や、イラク、クウェイト、アフガニスタンといった中東地域における軍事行動に参加した米軍兵士は370万人以上に上る。これらの軍事行動の最中に兵士が被った油井火災による煙、開放ピット焼却からの排出物、空気中のほこりや砂、ディーゼル車からの排気といった空気中の危険物の健康への影響は、戦闘環境に伴う極度の高温状態や騒音といったものによってさらに増幅されている。こうした健康被害に関する研究や新たな技術について検証する。(2020年9月発行、270ページ)
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報告書など:米国科学・工学・医学アカデミー出版「大規模災害後の死亡率と罹患率評価の枠組み」

大規模災害が発生した際には、その直後のみならず復興にいたるまでの長期間にわたって被災者と地域社会の健康を守ることがもっとも重要となる。災害関連死と罹患に関する情報を正しく時宜を得て把握することは、さらなる健康被害や死亡を防ぐために重要である。FEMAなど災害対応を支援する省庁は、全国的に統一されたデータ収集の枠組みへのアプローチと方法論を取り入れ、災害による直接的な死亡数と間接的な死亡数を分けて集計する必要がある。(2020年9月発行、250ページ)
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報告書など:GAO報告書「自然災害―ハリケーン・カトリーナ、ハーヴィ、イルマの経済的影響」

1980年1月から2020年7月の間に、米国では273の自然災害が発生し、各々10億ドル以上の被害を出した。被害総額は1兆7900億ドルに上る。GAOではハリケーン被災地域コスト、経済活動、支援派遣、復興プロジェクトといったデータを分析、連邦政府・自治体の職員や専門家に聞き取り調査を行った。(2020年9月10日発行、21ページ)
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報告書など:FEMA「COVID-19災害計画上の懸案事項補足―避難と屋内避難」

COVID-19の影響下で各地域が避難や屋内避難計画を検討する際に組み入れる必要がある対策についての補足文書。(2020年9月発行、12ページ)
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報告書など:GAO報告書「連邦政府のパンデミック初動対応に関するアップデート」

6月30日時点で、連邦政府からの援助金は1.5兆ドル、歳出は1.3兆ドル、2020年1月1日から6月30日までの死亡者数は例年より12万5000人増加しており、パンデミックの影響がみてとれる。GAOの6月の勧告に基づいていくつかの是正措置がとられ、すでに死亡していた人に支払われた経済支援金の7割にあたる16億ドル弱が、すでに回収された。(2020年8月31日公表)
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