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12月分


ニュース:オミクロン株感染予防にはファイザーとモデルナのワクチン

世界ですでに使用されているワクチンは、いずれもオミクロン株による重症化を防ぐ効果はみられるものの、感染防止効果はファイザー社とモデルナ社のワクチンだけ、それも追加接種を受けた場合に限られることが、最新の研究結果から明らかになってきた。アストラゼネカ社、ジョンソンエンドジョンソン社、中国やロシアのワクチンにはオミクロン株の感染防止効果はほとんどないとみられる。
(2021年12月18日)

ニュース:英国で感染拡大がピークに

英国の新型コロナウイルス新規感染者数は15日に7万9000人に達し、パンデミックが始まって以来、1日の感染者数としては最悪となった。その約25%を占めるオミクロン株は、12月3日から急速に広まっており、1月半ばまでに欧州の感染の大半を占めると予測されている。
(2021年12月17日)

ニュース:オミクロン株に有効な飲み薬パクスロビドは

ファイザー社は、同社が開発した新型コロナウイルスの飲み薬パクスロビド(新薬ニルマトレルビルと既存薬リトナビルの組み合わせ)が、予備的な実験でオミクロン株によく効いたと報告した。新型コロナウイルス感染症の重症化リスクの高い成人に対して、入院を防ぐのに89%有効だったという。
(2021年12月14日)

ニュース:米南部・中西部で大規模な竜巻被害

10日夜、ケンタッキー、アーカンソー、イリノイ、ミシシッピ、ミズーリ、テネシー州を含む米中西部から南部にかけての広い地域で40以上の竜巻が発生し、ケンタッキー州で75人、合計90人が死亡した。
(2021年12月11日)

ニュース:米FDAが食品由来疾患の発生源調査迅速化計画を発表

米国の食品医薬品局(FDA)は10日、「食品由来感染症発生への対応の改善計画」を発表した。この計画は食品由来感染症が大規模に発生した場合、FDAが発生源の調査を迅速かつ効果的に行うことを目的に作成された。原因となった食品のトレースバック(遡及)、根本的原因の調査、原因をより迅速に特定し関連組織や業界・市民に伝えるためのデータ使用・流通といった優先事項に焦点を当てている。
【関連リンク】
https://www.fda.gov/media/154712/download
(2021年12月10日)

ニュース:ファイザー社ワクチン、追加接種で抗体25倍に

ファイザー社は8日、追加接種から1か月たった人の血液サンプルでは、オミクロン株の中和抗体が25倍増えたことが実験室レベルで確認されたと発表した。治験とは信頼性の基準が異なり、結果は査読中である。
(2021年12月9日)

ニュース:CDCが薬剤耐性研究を推進

米疾病管理予防センター(CDC)は細菌の薬剤耐性など健康上の脅威に対応するため、グローバルアクション・ヘルスケア・ネットワーク(GAIHN)とグローバル抗菌薬耐性研究所・対応ネットワーク(Global AR Lab & Response Network)という2つの新たなネットワークを開設し、これを通じて世界の30機関に2200万ドルを助成すると8日発表した。この2つのネットワークはその他の短期研究プロジェクトと併せて世界50か国以上で展開し、感染症制御、薬剤耐性菌を検知する能力の構築、薬剤耐性菌や新型コロナウイルスのような脅威を迅速に検知し対応する新たな方法の開発に注力する。
(2021年12月8日)

ニュース:交差接種で高い抗体反応

英国で行われた大規模な研究の結果から、アストラゼネカ社またはファイザー社の新型コロナウイルスワクチンを1回接種し、9週間後にモデルナ社のワクチンを接種すると強い抗体反応が得られることがわかった。アストラゼネカ社のワクチンを2回接種するよりも抗体値が高いことが示されたという。研究はオックスフォード大学のマシュー・スネイプ教授らが行い、ランセット誌に論文が掲載された。
(2021年12月7日)

ニュース:米国の鉄道事業者に新たなサイバーセキュリティ要件を義務化

米運輸保安局(TSA)は3日、貨物列車と旅客列車の所有者と運営者に対し、新たなサイバーセキュリティ要件を発表した。高リスク列車の所有者と運営者にはサイバーセキュリティ調整担当者の任命、脆弱性評価の完了、サイバーセキュリティ・インシデント対応計画作成、インシデント発生後24時間以内の国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)への報告を義務付ける。新たな要件は12月31日施行され、脆弱性評価に90日、インシデント対応計画導入に180日の猶予が与えられる。空港運営者と航空会社にも、サイバーセキュリティ調整担当者の任命とインシデント発生後24時間以内のCISAへの報告が求められる。
(2021年12月3日)

ニュース:米政府、オミクロン株への新対策発表

バイデン米大統領は12月2日に国立衛生研究所(NIH)で演説し、新型コロナウイルスのデルタ株とオミクロン株への対策を発表した。家庭向け診断キットの拡充、入国者に対する検査の厳格化、ワクチン接種と追加接種の促進を含む。入国者には飛行機搭乗前24時間以内の陰性証明を要求するが、国内線乗客にワクチン接種証明や陰性証明の提示を求めることは避けた。
(2021年12月3日)

ニュース:抗体カクテル薬、オミクロン株には効果弱まる

米リジェネロン・ファーマシューティカルズ社は、同社が開発した新型コロナウイルスの抗体カクテル療法の効果がオミクロン株に対しては弱まる可能性を明らかにした。シュレイファーCEOは、ワクチン同様、モノクローナル抗体も今後、ウイルス変異に適応させていく必要があるとの見方を示した。オミクロン株は、抗体医薬が標的とするスパイクタンパク質に30以上もの変異があるので、効果に影響が出る。イーライリリー・アンド・カンパニーも、自社の同様のモノクローナル抗体治療について、試験結果を待っているとしながら、オミクロン株に対しては有効性が低いとの見方を示した。
(2021年11月30日)

ニュース:ロシア炭鉱火災で52人以上死亡

ロシアのシベリア中南部ケメロヴォ州の炭鉱で25日火災が発生、52人以上が死亡し、ロシア史上最悪の炭鉱事故となった。坑内で働いていた287人の大半は出火直後に避難したが、現場にはメタンガスが充満し、救助隊にも死者が出た。安全対策の過失の疑いで、炭坑の責任者ら5人が拘束された。
(2021年11月26日)

ニュース:CISA、インフラの重要性の理解促進に一手

米国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は、州政府・自治体を対象とする「インフラ依存理解の手引き(IDP)」を公表した。インフラに対する依存が地域社会のリスクや災害回復力に与える影響と、その知識を地域社会の計画に取り入れる方法の理解を助けることを目的とする。CISAが10月に公表した「インフラ回復力計画枠組」を補完するものとなる。
http://www.cisa.gov/idp
(2021年11月20日)

技術研究情報:オミクロン株の特性判明―香港大学研究

新型コロナウイルスのオミクロン株は、肺ではなく気管支で急速に増殖するという新たな研究結果が、香港大学の研究者チームによって発表された。気管支組織でデルタ株と在来株の70倍の速さで増えることが、感染力の強さと関係しているとみられる。対照的に、肺組織における増殖速度は在来株の10分の1と遅いので、重症化率は低い。研究チームリーダーのチャン博士は、重症化リスクはウイルスの増加だけでなく個々人の免疫応答がサイトカインストームを起こすリスクにもよること、感染力の高いウイルスは病原性が低くても多数の人に感染を引き起こすことで結果的に重症化と死亡のリスクを高めることも指摘し、オミクロン株の重症化リスクが低いからといって感染拡大を軽視できないことを述べている。
【関連リンク】
https://www.med.hku.hk/en/news/press/20211215-omicron-sars-cov-2-infection
(2021年12月15日)

技術研究情報:気候変動が安全保障に大きく影響―オークリッジ国立研究所

米オークリッジ国立研究所の研究者が、気候変動が安全保障に与える影響を新たなデータと計算システムを用いて解析した。温暖化により農業の機会が減ったことで多くの移民の波が起こり、ハリケーンや暴風雪によって電力網に障害が起きるなど、世界の安定と安全保障に気候変動が大きな影響を及ぼしていることが示された。
【関連リンク】
https://www.ornl.gov/news/researchers-anticipate-help-prevent-national-security-consequences-climate-crises
(2021年11月28日)

技術研究情報:林野火災大規模化の原因は乾燥化と温暖化―アルバータ大学研究

世界史上最大の林野火災のうち8件は過去10年間に起きていることが、カナダのアルバータ大学などの科学者による研究でわかった。乾燥と高温による極端な気候により林野火災がより頻繁に発生し、より苛烈になっていると考えられる。大火災の規模はさらに拡大している。例えば、カナダの林野火災による焼失面積の97%は、件数にして3%の火災にだという。林野火災の原因は、人為的なものが減り、雷によって発生した林野火災が増えている。
【関連リンク】
https://www.ualberta.ca/folio/2021/11/eight-worst-wildfire-weather-years-on-record-happened-in-the-last-decade-study.html
(2021年11月25日)

技術研究情報:NISTが室内換気指導ツールを公開

住宅の効果的な換気や空気洗浄は感染症の拡大防止に役立つので、米国立標準技術研究所(NIST)は、ウイルス感染者が訪れた場合に直径1マイクロメートルの粒子に対する曝露を減らす方法を指導するツール「住宅におけるウイルス粒子への曝露(ViPER)」をウェブサイトで公開した。内容は、冷暖房・換気設備の知識が必要な部分が多いので、ビル管理者や技術者向けとなっているが、住宅に人が集う機会が増える年末年始に備えて、今まで軽視されてきた家庭における換気や空気洗浄に注意喚起を促している。
【関連リンク】
https://www.nist.gov/services-resources/software/viper-virus-particle-exposure-residences
(2021年11月24日)

報告書など:GAO報告書「COVID-19―米政府省庁は国防生産法上の権限の行使を改善するため措置を取っている」

国防生産法は、国家安全保障の緊急事態が発生した際に、医療物資の政府契約を優先させることを企業に義務付ける権限を政府省庁に与えている。しかし、保健社会福祉省などは今回のパンデミックまで国防生産法を利用した経験がほとんどなかった。GAOは今回のパンデミックに際して省庁が国防生産法をいかに利用したか、利用する上での課題、それに対処するため省庁がとった措置などを調査した。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-22-105380
(2021年12月16日、27ページ)

報告書など:GAO報告書「災害復興―復興の障壁になりうる事項を特定し対応するため、さらなる措置が必要である」

米国の災害被災者の中には、災害支援事業や復旧のために提供される資源の利用が困難な人々もいる。低所得地域や孤立した農山村地域の住民、非白人、障害者などだ。GAOは災害復興支援を行う省庁が協同し、被災者により公平に援助が行き渡らせるよう、支援の利用の障壁となる事柄を定期的にチェックし対処するプロセスを作ることを提唱する。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-22-104039
(2021年12月15日)

報告書など:GAO報告書「メンタルヘルスとCOVID-19―高リスク群と関連する連邦政府援助」

パンデミックと社会的孤立、ストレス、失職、またそれらに起因する経済的危機によって、精神疾患および薬物中毒というメンタルヘルスの問題を抱える人が増えたのではないかという懸念が米国で高まった。GAOは関係者への聞き取り調査により、パンデミックによりメンタルヘルスの問題を新たに来したか悪化したリスクの高い具体的な集団の存在を突き止めた。特定の人種・民族の人、医療従事者、思春期までの子供、メンタルヘルスの既往歴のある人、青年、金銭的に困っている人という6つの高リスク群について述べる。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-22-104437
(2021年12月10日、84ページ)

報告書など:FEMA「2022-2026年FEMA戦略計画」

さまざまなリスクの増大を受けて危機管理専門家共同体の役割が拡大する中、FEMA(米連邦危機管理庁)を適切な方向に向けるための戦略計画。社会的公平性、気候変動に対する災害回復力、準備態勢という3つのゴールのそれぞれについて、FEMAの労働力の維持、地域社会に対する支援の改善、民間の営利・非営利部門の活用に関する目標を定めた。
【関連リンク】
https://www.fema.gov/about/strategic-plan/introduction
(2021年12月9日公表)

報告書など:GAO報告書「災害復興―住宅都市開発省の包括的支援金を脆弱な立場の人々に確実に届けるためにはよりよいデータが必要である

米議会は1993年以降、自然災害後のコミュニティ開発包括的災害復興支援金として900億ドル(9兆円)以上を支出している。GAOは住宅都市開発省(HUD)がこの支援金を用いて中所得者(地域の所得中央値の80%未満)、高齢者、マイノリティといった脆弱な立場の人々をいかに支援してきたのか検証した。HUDは通常、州政府・自治体が支援金の7割を中低所得者に使うことや、支援金がいかに脆弱な人々に役立つのか記述することを支出の条件にしている。HUDは対象者への支援金の効果をより有効に評価するために、追加の人口統計データを収集すべきだ。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-22-104452
(2021年12月9日公表、65ページ)

報告書など:GAO報告書「サイバーセキュリティ―国立衛生研究所は制御上の不備を解消しプログラムを改善するためさらなる措置をとる必要がある」

2021年6月にGAOが報告したとおり、米国立衛生研究所(NIH)は情報と情報システムの秘匿性、統合性、利用可能性を保障することを目的として、情報セキュリティ制御を導入した。しかし、今回の調査では、リスクを特定したりシステムを脅威や脆弱性から保護したりする役割を担う核となるセキュリティ機能に数多くの制御上、プログラム上の不備がみられた。セキュリティプログラムに関して66件、システム制御に関して153件の対策を推奨する。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-22-104467
(2021年12月7日、90ページ)

報告書など:全米アカデミーズ「公衆衛生危機におけるコミュニティレベルでのコミュニケーションと働きかけの実施に関するCOVID-19の教訓」

新型コロナウイルス感染症パンデミック対応の教訓から、今後、公衆衛生危機が発生した際に重要となるコミュニケーションやコミュニティに対する参加の働きかけの方針を、公衆衛生とコミュニケーションの実務者のオンライン会議でまとめた。信頼できるデータに基づいたコミュニケーション、偽情報や誤情報に即座に対応すること、脆弱なコミュニティの団体が推奨された活動をするための財源の必要性などのテーマについて記述している。
【関連リンク】
https://www.nationalacademies.org/news/2021/12/lessons-from-covid-19-on-executing-communications-and-engagement-at-the-community-level-during-a-health-crisis
(2021年12月6日)

報告書など:FEMA「気候変動に対する災害回復力を高めるFEMAのリソース」

気候変動の影響に適応し災害回復力を構築する米国の地域社会の取り組みを支援することが可能なFEMA(連邦危機管理庁)のリソースに関する、州政府・自治体に向けた解説書。支援の対象は、気候変動リスクの特定と評価、気候変動を織り込んだ減災計画、自然災害リスクに取り組むための地域社会の能力構築など。
【関連リンク】
https://www.fema.gov/node/fema-releases-resources-climate-resilience
(2021年12月6日、33ページ)

報告書など:GAO報告書「サイバーセキュリティ―米政府は全国の重要インフラ防護のため緊急に対策を講じる必要がある」

大手パイプライン運営者に対するランサムウェア攻撃からも、米国の重要インフラに関わるサイバーセキュリティ強化の必要性は明らかになっている。GAOは議会改選のたびに行政府の高リスク事業(浪費・詐欺・不正使用・管理ミスに対し脆弱であるか、変革の必要がある事業)のリストを発表しており、その一つにサイバーセキュリティを挙げて、各省庁に行動を促している。米政府が包括的な国家サイバー戦略を策定し実施する必要性と、重要インフラのサイバーセキュリティのために果たす役割を強める必要性に関して GAOの情報技術・サイバーセキュリティ担当官が下院運輸・インフラ委員会で証言した。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-22-105530
(2021年12月2日公表、24ページ)

報告書など:GAO報告書「緊急時の流域保護―支援事業は災害後のニーズに合致しているが、さらなる指導による改善の余地がある」

ハリケーン、洪水、林野火災などの自然災害が過ぎ去っても、浸食や洪水のリスクが増大すると、生命・財産が脅かされる。米農務省はこの脅威を軽減するため緊急流域保護事業を行っており、議会は2015-20年度に130億ドル(1.4兆円)以上を支出している。関係者によると同事業の支援を要請する方法、支援金を使用可能な地域などについて農務省の指導がはっきりしない場合があるという。また、被害の拡大を避けるため緊急に必要な任務に対する支援金給付が遅れるといった問題も指摘されている。こうした問題に対するGAO(米議会の政府監査院)の推奨策を示す。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-22-104326
(2021年11月18日公表、48ページ)

報告書など:FEMA「インフラ回復力計画枠組」

州政府や自治体が重要インフラの計画と投資決定にセキュリティと回復力の検討事項を導入する守る計画を立てるための手引きとなる枠組み。各地域の行政や団体が、1)インフラの回復力が地域社会の回復力にいかに貢献するかを理解して意思疎通し、2)脅威や危険が地域のインフラの稼働とサービス提供に与えうる影響を特定し、3)行政およびインフラ所有者・運営者による脅威と危険に対する抵抗と適応を準備し、4)依存および被害のカスケード(一連の滝)を含むセキュリティと回復力の検討事項をインフラの計画と投資決定に導入し、5)インフラに被害があった場合に迅速に復旧するためのツールや方法を提示している。
【関連リンク】
https://www.cisa.gov/sites/default/files/publications/Infrastructure_Resilience_Planning_Framework_IRPF.pdf
(2021年10月発行、58ページ)