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8月分


ニュース:スウェーデンでコンゴ盆地系統群エムポックス患者を確認

スウェーデン公衆衛生局は、クレードI(コンゴ盆地系統群)のエムポックス患者を国内で確認したと発表した。アフリカ以外で初めて患者が確認された。クレードI の流行は2023年9月にコンゴ民主共和国東部で始まった。この患者はアフリカのエムポックス流行地に滞在中に感染し、スウェーデンで治療と感染防止の指導を受けた。クレードIは感染力が強く、致死率は約10%にのぼる。欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、スウェーデンのようにエムポックス患者を安全に診断・隔離・治療できる国では、入国して治療を受けた少数の患者から市中感染するリスクはきわめて低い。
(2024年8月15日)

ニュース:FEMAの災害復旧・被災者支援の資金が枯渇

FEMA(米連邦危機管理庁)は8月13日、災害支援金が年度の途中で枯渇したと発表した。クリスウェル長官によると、FEMAは当面、「救命と生命維持に係る活動」に該当する緊急の需要にだけ資金を提供する。FEMAは議会に対し、災害支援金を補充するため90億ドル(1.3兆円)の補正予算を要望している。米議会は9月初めまで休会中で、この補正予算の審議日程は明らかでない。ハリケーンシーズンの最盛期を待たずしてFEMAの災害支援金が底をつくのは2年連続となる。
(2024年8月14日)

ニュース:世界保健機関がエムポックス緊急事態宣言

感染症エムポックスがアフリカ以外にも広がるおそれがあるとして、世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。この宣言は、2022年7月21日にクレードII(西アフリカ系統群)のエムポックスに出され、今回はクレードI(コンゴ盆地系統群)のエムポックスに出された。コンゴ民主共和国では2023年9月以後、エムポックスによる死者が500人を超え、感染者は1万4000人を超えている。クレードIはクレードIIより重症化しやすい。コンゴ民主共和国の隣国のブルンジ・ケニア・ルワンダ・ウガンダは2022-23年のエムポックス流行を免れたが、今年7月に患者が確認された。
(2024年8月14日)

ニュース:アテネ近郊に達した林野火災

ギリシャのアテネの約40キロ北東で8月11日に林野火災が発生し、北風に煽られてアテネ盆地の住宅街に達した。85.9平方キロが焼け、さらに広い範囲の住民が避難し、1人が死亡、31人が呼吸器系症状を呈して病院に運ばれ、消防士1人が火傷を負った。火災は翌12日に封じ込められた。EUの市民保護メカニズムが12日に起動し、チェコ・イタリア・フランス・ルーマニア・キプロス・スペインが空中消火機や消防部隊を派遣した。モルドバも部隊を派遣し、トルコも空中消火機の派遣を申し出た。
(2024年8月12日)

ニュース:ウィーンでテロ計画発覚、米人気歌手のコンサートが中止

オーストリアの首都ウィーンで8月8-10日に予定されていた米人気歌手テイラー・スウィフトさんのコンサートに対するテロ計画が発覚し、17-19歳の男3人が逮捕された。19歳の主犯が7月上旬にテレグラム(ソーシャルネットワークサービス)に投稿したIS(いわゆる「イスラム国」)への忠誠宣言を、米情報機関が見つけて欧州刑事警察機構とオーストリア警察に知らせた。彼はオーストリアと北マケドニアの国籍をもち、爆発物の原料、時限装置、山刀、偽札、アルカイダの宣伝物を自宅に所持していた。彼と17歳のトルコ系・クロアチア系オーストリア人が8月7日に逮捕された。後者はこのコンサートを警備する会社にアルバイトとして雇われていた。さらに8月9日、18歳のイラク難民が逮捕された。
(2024年8月9日)

ニュース:医療機関・供給網へのランサムウェア攻撃に対するリスク管理の呼びかけ

アメリカ病院協会(AHA)と保健情報共有分析センター(ヘルスISAC)は、患者の治療を混乱させた最近のランサムウェア攻撃に関して共同声明を発表し、医療機関に対策を促した。米南部の輸血機関ワンブラッド、英国の病理診断業者シンノビス、スイスの製薬会社オクタファーマが、ロシアのサイバー犯罪組織に攻撃された。その結果は、医療機関の任務遂行と患者の生命にかかわる供給元を企業リスク管理と危機管理の計画に組み込み、回復力と冗長度を確保する必要性を示しているという。医療の供給網における単一障害点を取り除き、重要な供給元がランサムウェア攻撃を受けても医療の提供の混乱を最小限にとどめることが対策の目的となる。
(2024年8月8日)

ニュース:フランス各地でインターネット用長距離光ケーブルに破壊工作

フランスの複数地点のインターネット用長距離光ケーブルが7月29日午前2時15分ころ「大がかりな破壊工作」を受け、ネタリ社など複数のプロバイダが影響を受けていると、同社の二コラ・ギヨームCEOがXに投稿した。イリアド社と警察によると、フランス本土の6県で通信が遅くなったが、パリは影響を受けていない。フェラーリ・デジタル副大臣はインターネット、固定電話、携帯電話が局所的に影響を受けているとXに投稿した。被害にあったプロバイダのSFR社によると、ケーブルは斧または研磨機で切断された痕跡があるという。
(2024年7月30日)

ニュース:フランス高速鉄道の通信ケーブルに放火

パリ・オリンピック開会式当日(7月26日)の朝、フランス高速鉄道TGVの大西洋線・北線の1か所ずつと東線の2か所で沿線の光ケーブルが放火された。南東線では居合わせた鉄道員が犯行を止め、未遂に終わった。大西洋線・北線・東線は多くの列車が運休・遅延し、当日は25万人、復旧までに80万人以上の旅客が影響を受けた。大西洋線の分岐点が放火されたことなどから、アタル首相は、広範な影響を狙った計画的・組織的犯罪の可能性が高いとの見解を示した。東線は翌27日、大西洋線は28日に復旧し、ロンドン行ユーロスターも利用する北線は29日始発までに復旧した。
(2024年7月29日)

ニュース:7月のコンピュータ障害の被害は過去のサイバー攻撃より広範

クラウドストライク社のセキュリティソフトウェア「ファルコン」のドライバーが原因で7月19日に世界中で発生したコンピュータ障害は、マイクロソフト・ウィンドウズを搭載した約850万台を機能停止させた。被害は金融・医療機関・テレビ局・小売業などに広がったが、とくに米国系航空会社はファルコンを使用する企業が多かったので、航空便の欠航や遅延などの影響が数日間に及んだ。デルタ航空は7月19-22日に5300便以上を欠航させた。また、物流大手のフェデックス社の配送システム、JPモルガン・チェース銀行やバンクオブアメリカの送金システムにも障害が生じた。現在知られているサイバー攻撃などより被害が大きい、史上最悪のコンピュータ障害と考えられる。
(2024年7月22日)

研究開発情報:AI利用の地震警報システム、利用が広がる

イスラエルのスタートアップ企業SeismicAI社は、AI(人工知能)を利用した地震早期警報システムを開発し注目を浴びている。従来の地震警報システムは地域ごとに構築され、精度を上げるためには地域固有のデータを何年にもわたって蓄積する必要があった。同社のシステムは世界中どこでも、数百メートルにわたって地震計アレイを設置すれば高精度の警報が可能だという。初期微動のP波の到着から0.3秒以内に逆方位角を計算し、地震計ネットワークの外にある震源も特定する。さらに、主要動のS波の観測データおよび個別の地震計にS波が未着であるというデータを用いて、震源の距離の最小値を計算する。イスラエルやメキシコの地震の警報に成功しており、カナダ天然資源省、インド工科大学ルールキー校、イスラエル地質調査所などの地震早期警報システムに部分的に取り入れられている。

【関連リンク】
https://seismicai.com/earthquake-early-warning-system/
(2024年8月14日)

研究開発情報:爆薬の微量の揮発ガスを数メートルの距離から検知

微量の爆薬を2.5メートルの距離から検知する装置を、米エネルギー省パシフィック・ノースウェスト国立研究所の研究者チームが開発した。手荷物や衣服の表面を爆発物検知キットのコレクタで拭く必要性が減る。ニトログリセリンやRDXといった爆薬から揮発する分子は微量で、数メートルの距離における空気中濃度は10PPQ(千兆分率)未満だが、数秒で検出する。10PPQ未満は「ワシントン州に生えているすべての松の木から1本の松の葉を見分ける」比率に相当するという。ワシントン大学が開発したエアサンプラーは毎分300リットルの空気を吸い込むので、微量の揮発ガスの検知に必要な量の空気を5-10秒で集めることができる。揮発ガスをフィルターで集め、長さ約60センチのフローチューブ内で電離して検知しやすくする。同研究所は国土安全保障省の資金で爆発物検知を研究している。

【関連リンク】
https://doi.org/10.1016/j.talanta.2023.125562
(2024年8月13日)

報告書など:GAO報告書「重要インフラ防護―上下水道システムのサイバーセキュリティ・リスクに対応する戦略策定は環境保護庁にとって急務」

環境保護庁(EPA)は米国の上下水道システムのサイバーセキュリティの取り組みを率いており、そのため水道セクターと協力してきた。しかし、セクター全体における最大のリスクの特定と優先順位付けをおこなっていない。また、サイバーセキュリティ向上を各々の水道システムの任意に任せている。GAO(米議会の政府監査院)は環境保護庁に対し、全国的な上下水道サイバーセキュリティ戦略を策定したり、新たな権限の必要性を検討したりすることを推奨する。

【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-24-106744
(2024年8月1日公表、70ページ)

報告書など:GAO報告書「COVID-19 教訓は今後の緊急事態に政府機関がよりよく備えるのに役立つ」

今後の緊急事態に米政府機関がよりよく備え、対応し、復旧できるようにするため、GAOは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの教訓を特定した。GAOは米政府のパンデミック対策を監督し、2024年4月までに米政府機関に428件の措置を推奨し、議会には24件の事項の検討を提案した。米政府機関に推奨した措置のうち220件は実施されていない。COVID-19に関するGAOの包括的な報告書は、これが12本目である。今後の財政金融危機に対する財務省の備えに役立てるため、GAOは新たな措置を1件推奨し、財務省は賛成した。

【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-24-107175
(2024年8月1日公表、83ページ)

GAO報告書「核廃棄物除去―事業の結果を改善するためには、より効果的な監督が必要」

米エネルギー省は核兵器製造と原子力研究によって生じた廃棄物の処理・廃棄を担当している。処理施設建設と製造施設解体の事業は予算を超過し遅延することが多い。GAOは、契約事業5件をエネルギー省がどのように監督しているのか点検した。予算超過も遅延もない唯一の事業では、整合性のある信頼できるデータを業者が維持しており、監督官はそのシステムを使って問題点をただちに見つけられるようになっていた。エネルギー省には、適切なプロジェクト・データ・システムを業者が維持するように監督することなどを推奨する。

【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-24-106716
(2024年7月31日公表、63ページ)

報告書など:GAO報告書「重要インフラ防護―国土安全保障省は連邦政府インシデント報告の義務化に取り組んでいる」

米国土安全保障省は、2022年に制定された「重要インフラのサイバーインシデント報告法」の13の要件を満たす措置を、24年3月の期限までに実施した。そのひとつとして、同省サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)がサイバーインシデント報告に関する規則案を24年3月に連邦官報事務局に提出し、翌4月に掲載された。同省は最終的な規則を25年10月までに定める予定である。これらの措置の目的は、米政府のサイバーセキュリティと被害軽減の取り組みを国土安全保障省が調整しやすいようにすることである。また、米政府以外の重要インフラのサイバーセキュリティを同省が支援するためにも役立つ。

【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-24-106917
(2024年7月30日公表、34ページ)

報告書など:GAO報告書「公衆衛生準備態勢―保健福祉省は州・準州の感染者・濃厚接触者隔離計画を検証すべきである」

米国の州・準州は、新型コロナウイルス・パンデミックにおいておこなったように、感染症の拡大を防ぐために感染者・濃厚接触者を隔離することができる。州・準州が前もって計画を立てておくと、流行初期に隔離を実施しやすい。保健福祉省は、州・準州が緊急事態に備えて対処できるように、指導と資金を提供することになっている。しかし、同省は各々の州・準州に隔離計画があるのか把握していないので、どの州・準州を優先して支援すべきなのかわかっていない。

【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-24-106705
(2024年7月25日公表、56ページ)

報告書など:GAO報告書「核廃棄物除去―任務に欠かせない要員の不足の悪化に対応が必要」

米国各地の核兵器製造・研究施設で長年溜まった核廃棄物の除去を監督しているのは、エネルギー省環境管理局の国家公務員である。しかし、同局では人手不足が続いている。2023年9月(年度末)には263の空席があり、職員の44%は2030年までに年金付退職の要件を満たす。GAOは、将来を考慮した職員配備計画を立てることを同局に推奨する。

【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-24-106479
(2024年7月18日公表、111ページ)